長期金利上限0.5%に|日銀緩和縮小?金利の変化って何に関係があるの?

金融・経済
日銀が金融緩和縮小、長期金利の上限0.5%に 事実上の利上げ: 日本経済新聞 (nikkei.com)

12月20日、日銀がサプライズで長期金利上限の引き上げを発表。

大きなニュースになりました。

とはいえ、わたしたちの生活にどのように関係してくるのか理解していない人は多いのではないでしょうか。

本日は、長期金利引き上げの背景や、生活への影響を解説していきます。

長期金利上限の引き上げってどういう意味?

これまで(12/19まで)の日銀の動き

日銀は今、金融緩和を行っています。

金融緩和とは

中央銀行(日本では日本銀行、またの名を日銀)が、景気をよくするために行う政策。

金利を低く設定する→お金を借りやすくする→お金を借りてでも買い物がしやすい→モノが売れる→企業が儲かる→給料が増える→もっとモノを買う→景気が循環する!!

この流れができるようにしている!

日銀の今の金融緩和は「YCC(イールドカーブ・コントロール)」という手法を行っています。

YCCとは

10年物国債(償還期限が10年の国債)の金利が0%程度で推移するように、長期国債の買い入れを行うという金融緩和の手法。

今までは、金融緩和によって、基本金利が0%で推移することを目標にしていました。

ただ、0%ピッタリは難しいから、誤差前後±0.25%の間で金利が推移するようにしていました。

しかし!ここで事件が…。

今年は、戦争や石油高によるインフレ(物価が高くなること)が続き、金利上昇圧力がかかっていました。

金融緩和とは反対に、金利を上げて、お金を借りにくくすれば、モノが売れなくなる。

モノが売れなくなれば、企業はモノの値段を下げてくれるから、金利を上げてほしい!と思う人が増えていた…。この動きを「金利上昇圧力がかかる」と表現する。

そのため、0.25%以上に金利が上がってしまわないように、日銀が指値オペという手段を使って強引に金利を押さえつけていました。

指値オペとは

国債を指定した利回りで、原則無制限に買い入れる制度。

金利を下げる効果がある。

今までの場合、±0.25%になるように買い入れしてた。

12/20に長期金利上限の引き上げを発表

そこで、12/20に、金利上限の引き上げを発表しました。

長期金利の誤差前後±0.50%に引き上げられました。

実質、今までの金融緩和を緩めていく形になりそうです。

希様
希様

黒田総裁(日銀の偉い人)は、今のところ「金融緩和を緩めるつもりはない」と発言しています。

長期金利上限引き上げで、一気に円高・株安に!

  • ドル円は発表前後で137円台→134円台
  • 日経平均先物も急落し、下落幅は一時900円

でも円高になったということは、食品などの値段も下がって結果お得になるんじゃないの?

私・僕は株を買ってないし、モノが安くなるならむしろラッキーなんじゃないの?

こうお思いの方はもしかしたら、多いのかもしれません…。

ちょっと待った!!!

住宅ローンがある人は要注意!

住宅ローンを組んで、マンションや一軒家を購入している人は多いのではないでしょうか?

今回の金利上昇で、主に身近にかかわってくるのが「住宅ローン金利」。

ただし、変動金利のベースとなっている「短期金利」は、マイナス金利が維持される予定で、固定金利のベースとなる「長期金利」のみ今のところ変更される予定です。

そのため、一番注意したいのは「契約済みだけど、まだ家を引き渡ししておらず、ローンを固定金利で組んでいる人」です!

今のところ、現在契約中の変動金利・固定金利は大丈夫な予定ですが、金利もいつ変わるかわからないので、これを機に借り換えなどを検討することも大切でしょう。

金利は1%違うだけでもめちゃくちゃ大きいです。

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